「我々を人間扱いしていない」 野宿者避難拒否で台東区に抗議

「どんな人間にも生きる権利はあります!」

「住所を持っていない人間を区民として認めないというのなら、なぜ代わりの避難所を用意できなかったんですか?」

「我々を人間として扱っていない。台東区民しか受け入れ対象にしないというのは間違っている!」

 野宿者たちから、矢継ぎ早に怒りの言葉が浴びせられた。対応に当たった台東区危機災害対策課の係長は、ばつが悪そうな表情を浮かべ、こう答えるしかなかった。

「ご指摘の通りです。みなさまを援助する場所を欠いた対応であったというところでございます」

 すぐさま野宿者から反論された。

「住所がない方については別の避難所で休憩してくださいと、なぜそこまでできなかったのか?」

「申し訳ございません」

 答えに窮し、謝るしかない係長。

 10月13日夕、山谷労働者福祉会館活動委員会のメンバーと野宿者を中心とする約20人は、台東区役所1階ロビーで、同課の係長ら3人と向き合っていた。台風19号の上陸に伴い、野宿者の男性2人が自主避難所への受け入れを同区から断られた問題に対して抗議をするためだ。区や報道によると、野宿者2人は12日、自主避難所に指定されていた区立忍岡小学校を訪れた。しかし、「住所不定」で避難者カードを記入することができなかったため、断られたという。同じく野宿者が多い、墨田、渋谷両区は避難所での受け入れを認めていた。

 山谷労働者福祉会館活動委員会は、12日午前の段階で区に問い合わせたところ、「区の避難所は基本的に野宿者をお断りしている。川が氾濫したりした場合は現場で判断する」との回答を得ていた。10日に要請を行った城北労働福祉センターの夜間開放の拒否があり、会館は同日午前10時から翌朝まで、会館(台東区日本堤)を開放し、野宿者20人以上を受け入れていた。

 こうした経緯を踏まえ、人権意識の欠落とも受け取れる区の対応について、同委員会側と係長のやり取りは1時間ほど続いた。

「意識的に野宿者をお断りするって決めていたんですよね?」(委員会メンバー)

「決めていたっていうわけではなく……」(係長)

「そういうふうに聞こえる」(野宿者)

「拒否してしまったというところではございません」(係長)

「野宿の人が避難所に来て断られたらどうなると思っていたんですか?」(委員会メンバー)

「そこにつきましても、欠けていたっていうところでございます」(係長)

「野宿者より区民を優先すると?」(委員会メンバー)

「区民の方っていうところのお話の中で、住所不定の方だった。区民、住民と一緒にはしていなかった。なのでそこの部分が欠けていたっていうことになります」(係長)

 係長のあいまいな弁解に業を煮やした野宿者の1人が、皮肉を込めてこう言った。

「野宿を一度体験されるといいんじゃないですか? そしたら分かると思いますけど」

 今回の対応不足を全面的に認めた区は、野宿者が避難所を拒否された当時の詳細、今後の対応について同委員会に近々報告すると確約した。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 9

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
ナイス ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!)