無念追悼 私たちの大切な仲間Tさんが亡くなりました。

8月9日、隅田川・桜橋で約3年間野宿し、私たちとともに歩んできたTさんという仲間が水死体で発見されました。65歳でした。愛嬌のある風貌と、気のいい憎めない性格で、皆から愛されている仲間でした。

Tさんは今年春、体調を崩し入院。
退院後、生活保護受給にいたることなく再び隅田川に帰ってきました。
ちょうどその頃隅田川は花火大会の直前で、桜橋の仲間は毎年この期間、上流の公園へ移動を余儀なくされます。
Tさんも、花火大会が終わったら皆と一緒に桜橋に小屋を立て直す予定でした。

ところが、桜橋に帰ってきた矢先、Tさんは墨田区土木管理課担当主査から「一度出た人間は小屋を建てさせない」「一回福祉をとったひとは絶対だめ」などと言われ、小屋の資材を強制的に撤去されてしまいました。
居合わせた人の話によると、Tさんは土木管理課に手を合わせて「ここに住まわせてくれ」と懇願していたそうです。
にも関わらず、Tさんの声は聞き入れられることはありませんでした。

そして、Tさんはそれから行方がわからなくなっていました。
周囲で野宿する仲間たちが懸命に彼の居場所を探しましたが、最悪の形で発見されることとなってしまいました。

Tさんの死が、自殺だったのか、事故だったのか、それとも野宿者襲撃によるものだったのか、詳しいことは未だわかっていません。
しかし、土木管理課のTさんに対する仕打ちが、彼に無念の死をもたらした大きな原因であると私たちは確信しています。

労働市場からはじきだされ、家族というセーフティーネットからも公的福祉からも排除され、生き延びるための場所としてやっと野宿場所へ帰ってきたTさん。
その公共空間すらも排除されたTさんは、本当にこの世で生きる場所を失ってしまいました。
もちろん、Tさんを支えきれなかった自分たちへの悔しさもあります。
しかし、生きるための最後の術である小屋が撤去されるようなことさえなければこんなことには・・・、と思えてならないのです。
Tさんの無念を思うと、深い怒りと悲しみを禁じ得ません。

私たちは、これ以上1人の仲間も殺されたくない、殺させたくない。
このような悲しい出来事が二度と繰り返されることのないよう、人の命が尊ばれ誰もが尊厳のうちに生きられるような社会になるよう、強く願いつつ、歩みを新たにしていきたいと思います。

生前、Tさんをご存知だった方、桜橋で見かけたことがある方、いらっしゃいましたら是非、ともに冥福をお祈りいただければと思います。

9月1日(水)午後6時より、Tさんが生前暮らした桜橋で友人一同による追悼会を行います。
どうぞ足をお運びください。

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