東京都・(公財)城北労働・福祉センターが野宿者排除姿勢を改めることを求める申し入れ書

東京都知事殿
東京都福祉保健局生活福祉部保護課山谷対策担当殿
(公財)城北労働・福祉センター所長殿

 (公財)城北労働・福祉センター(以下センター)は東京都の山谷対策の現地機関である。その定款には「山谷地区に居住する労働者の職業の安定及び福祉の増進を図り、もってこれらの者の生活の向上に資することを目的とする」とある。しかし、実際は以下のようにセンター自身が野宿の日雇労働者を排除する姿勢を示しており、労働者を危険にさらす結果を招いている。

1. 敷地からの排除
 センターは2006年に開始した「花いっぱい運動」で「地域の環境改善を推進する」としてプランターを設置することによってセンター敷地から野宿する労働者の荷物や寝床を排除してきた。さらに寄り場の柵の改修工事によって柵の内部からも荷物と寝床を排除した。また建物外に設置してある水道の蛇口の数を減らし水圧も下げるなど、野宿する労働者が暮らしにくい環境作りを行っている。

2. 施策からの排除
 センターは2014年以前から6年以上にもわたってセンター利用者カードの新規発行を事実上停止していた。2020年に労働者の強い抗議を受けカード発行を再開したものの、ほとんどの新規発行者に対してセンターの医療及び宿泊や給食という応急援護の施策を利用を未だに拒み続けている。

 再開発が進行し、旧来寄せ場では見られなかったマンションなどの建設が山谷内でも進んでいる。これに比例し野宿者排除の圧力は高まっている。その多くが日雇労働の実態や歴史に関する無知や偏見に起因するものである。センターは本来、地域住民の日雇労働者に対する偏見を是正し差別を防止する責任がある。にもかかわらずセンターが排除姿勢を示すことは野宿者差別をあおる危険が大きく、各地で野宿者に対する深刻な暴力が起きている事実も踏まえて早急に改める必要がある。
 また、現在のコロナ感染状況で日雇仕事にも大きな打撃がきている。しかし日雇労働者は休業補償や各種の給付金の対象から除外されひときわ深刻な苦境に陥っている。    
 以上のことから現在いつにも増して山谷対策が重要なものとなっている。本来持つ施策を全ての労働者が利用できるようにすること、そしてそれをさらに拡充することや、日雇労働者が野宿になりやすい状況も踏まえ地域に対して差別を防止する働きかけを行うなど、日雇労働者の生活・生命を守る山谷対策としての責任を果たすよう強く申し入れる。

2021年1月27日
山谷労働者福祉会館 活動委員会
山谷争議団・反失実

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