「ブラジルのファベーラ(スラム)で頂点に達するUPPの暴力と、DGというダンサーの死」の抄訳です。

http://rioonwatch.org/?p=14686 の抄訳です
タイトル:「パヴァオン-パヴァオンジーニョとカンタガロというファベーラで頂点に達するUPPの暴力と、DGというダンサーの死」4/26の記事です。


「パヴァオン-パヴァオンジーニョ」と「カンタガロ」というファベーラは、リオの南地区:イパネマやコパカバーナといった海岸の近くにある。この数ヶ月激化する(軍と警察の)暴力は有名で人気の若者を死にいたらしめた。若者の死は、ファベーラ住民の蜂起を呼び起こした。住民の間ではUPP(鎮定警察ユニット)の有効性に対する疑問が広がる。2009年以来、近隣のファベーラは「鎮定」されてきた。だがUPPは数々の不始末を引き起こしてきた。住民とUPPとの間に広がる不信。コミュニティのリーダーと住人は暴力の終結を呼びかけている。今年に入りコミュニティは暴力の激化(警察の暴力を含む)を目にしてきた。暴力は頂点に達し、DGとして知られるダンサーが死んだ。

DGとして知られるダンサー/俳優:ダグラス・ラファエル・ダ・シルバ・ペレイラという名前の若者が死んだのは4/22。DGの遺体が見つかったのは火曜日(22日)の朝。DGは警察に殴り殺されたと思われ、DGの死に対する説明と正義を求める激しい抗議行動が開始された!

DGは"Esquenta"というTVショーにも出ていたプロのダンサーで26才。彼の遺体が発見されたのは4/22の朝、デイケアセンター(託児所)の近くだった。DGの死についての詳細は不明で調査中といわれるが、遺体にはブーツの跡がついていたとされ、蹴り殺されたもよう。だが警察のレポートは、DGの遺体の傷は転落によるとすると主張する。DGの母、マリア・デ・ファティマのコメント:「DGの遺体はブーツの(蹴り)跡だらけだった。背中は擦り傷があり保育所(デイケアセンター)のしっくいの壁は血だらけだった。UPPは誰も守らない。私たちは恣意的(に暴力がふるわれる)体制のただ中で暮らしている。息子にこんなことをした奴は罰されなくては。」

地域住民によると、DGは警察と麻薬売買人との衝突から隠れるため壁を飛び越えた。それを見た警察はDGをギャングと誤認し殴りつけた。だがDGはパヴァオン-パヴァオンジーニョに4歳の娘に会いに向かっていた。UPPはこれについて未確認、コメントもなし。火曜日のその後、パヴァオン-パヴァオンジーニョの住民は地域の警察署に行進しDGの死についての釈明を求めた。バリケードを作り車を燃やしてファベーラへの大通りを封鎖した!すぐ後に地域の盗賊と警察との間に銃撃戦が始まった。警察は「犯罪ギャングが先に撃ってきたので催涙ガスとスタングラネードを打ち返した」と言う。銃撃戦でエディルソン・サントスという27才の若者が頭部を撃たれ死亡。12才の少年が撃たれたという情報も。twitterのポスト:「今回警察はどう言い訳するつもりだ?UPPが殺した無実の人(DG)は容疑者だったとでも言うのか?DGに不信な振る舞いがあったからだとでも?警察と対峙していたとでも?元麻薬売買人だっとでも言うつもりか?だがこれで、もう一人無実の死者が増え、息子をなくした母親が一人増え、父をなくした子が一人増えた。」

4/24にはパヴァオン-パヴァオンジーニョの入り口ではDGとエディルソン・サントスを追悼し正義を求めるデモが行われ、人々はDGが埋葬された墓地へむかった。デモには200人を越える人々が参加。そこで掲げられたスローガンは「警察に暗殺されたDGとエディルソンは国家犯罪の犠牲者だ」「UPPに聞きたい。あとどれだけの人が死ななくてはならないのか?」

抗議の最中、警察が参加者に警棒と催涙ガスで襲いかかった。住人がUPPについて言った言葉「UPPがやってきて、コミュニティに暮らす家族の幸せと夢と生活を崩壊させ終わらせた。だから今UPPが『鎮定』の名の元に行っているプロジェクトを受けいれることなどできるわけない」「UPPは、人々に対する戦争を準備してる。人々(ファベーラの住人)は、戦争の過去にあきあきしてる。だがUPPがやってきて、よりひどい戦争を持ち込んでいる」
このDGの殺害に始まる一連の事件の前から、ファベーラではここ数ヶ月のコミュニティにおける暴力に抗する社会運動が起こっていた。若い住人のコメント:「野蛮なことになってる。毎晩ずっと銃火が交えられてる。警察はどう振る舞ったらいいかわかってない。革命みたいなことになってる。この混乱は続くだろう。ワールドカップまで、そしてワールドカップが終わっても。」

一連の事件のもとは、UPPとレッドコマンドギャングというギャングとの衝突だ。ギャングの首領でピットビルという人物が2009年以来投獄されていたが、2013年6月に一時的な帰宅を認められた。だがピットビルは刑務所に戻らず、そのまま逃走。 2014年のはじめから、UPPがピットビルの探索をカンタガロというファベーラで行うと共に暴力が激化しはじめる。鎮定警察によると、一月の半ばに警察は武装した犯罪者による銃と手製爆弾の攻撃を受けた。1/17には、パトリック・コスタ・デ・サントスという21歳の若者がUPP警官と対峙の後死亡。サントスはイスラエル製の銃を持つ警官に捕捉されていた。銃火は即座に交えられた。翌日の商活動は規制され、警察がファベーラに入るすべての車両と2輪タクシーを検問した。 1/24からの週には、ピットブルとレッドコマンドの司令部があると警察が考えた場所で銃撃が行われ二人のギャングメンバーが逮捕されピットブルは逃げた。3月にも麻薬売買人と警察との間で数々の銃撃戦。4月初頭には二人の男性が撃たれ(警察によると一人は麻薬売買人)、イパネマの地下鉄駅のすぐ前で抗議行動が始まった。これらの作戦でBOPE(軍事警察特殊行動部隊)が導入された。先週月曜日の衝突も、警察がピットブル達の居場所を発見したと考えた事から始まった。DGはメンバーと思われたのだ。

UPPはでっち上げをしてる、ウソをついてる
先週のDGの死とそれに続く蜂起のまえから、ファベーラの住人は、UPPがファベーラ住人に対する尊敬を欠いていると感じていた。カンタガロというファベーラで生まれ育った社会活動家のデイズ・カルヴァーリョは、コミュニティを覆う暴力に強く抗議する。2008年1月に息子のアンドリューがDEGASE(general department of social and educational actions)の役人に拷問の上暗殺された。デイズは警察に無実の罪で殺された犠牲者の家族による運動に参加した。この運動(「暴力に反対するコミュニティのネットワーク」)は、事件を記録し正義を求め人権を守るたたかいをよびかける。デイズは「多くの人々はUPPとの関係は悪く、身近に感じていない。警察によって(仲間が殺される)経験をしてきた私たちはUPPを望まない。」 パヴァオン-パヴァオンジーニョとカンタガロの二つのファベーラは「暴力と麻薬売買との戦い」を掲げる警察の行為がどのような結果を生んできたかを知っている。住人はUPPがかつて警察がしてきたことを繰り返さぬよう望んいる。それによりコミュニティが変われば、とも。だがいま、多くの住人はUPPに期待せず、そのプログラムが二つのファベーラで成功するとは思ってない。

22歳の住人フィリペ・バルボサは「鎮定(UPPによりファベーラの制圧)はあっというまで、次から次へといろんなことが起こった。気がつけばそこら中が警察だらけ。不吉な兆しだった。そして災いがきた。そのあとに来たのがBOPE。」
パヴァオン-パヴァオンジーニョでの虐殺に対する抗議行動の後、住人の一人がUPPの配備について言った。「(UPPの作戦が)改善につながると思ってた。私の孫や新しい世代が、これ以上の銃や暴力に晒されないようになるだろうと。だが、今、全てがより悪くなっていってる。」多くの住人はUPPの配備により変化が起こると期待したし、社会プログラムが実施されると期待した。 だがいま住人はこれまでになくUPPプログラムの実効性を疑っている。
DG(殺されたダンサー)の母親マリア・デ・ファティマは「UPPはでっち上げだ。偽りだ。」DGの死の前からデイズは言っていた。「UPPの配備でいい方向に変わるとはとても思えない。もしUPPが暴力的にやってきてなければ、もしUPPが本当にコミュニティに良い事をするために来てれば、物事が良い方向に変わると信じたと思う。いまも良い方向に変わってほしいと思う。でもUPPが来て一週間目で、かつてのエリートスクワッドと同じだと思った。警察がファベーラに来て、全てが美しく素晴らしくなるべきなのに、まったく逆だった。銃撃がなくなればどんなにいいだろうと思うけど。ファベーラに住んでない人たちは、私たち住人が経験してきた事について無知。」

最近の抗議行動では、UPPを「ブルーギャング」と呼び、犯罪ギャングの「レッドコマンド」と同じくらい暴力的だとする言葉が現れている:「レッドコマンドとブルーコマンド、違いはない」。コミュニティには以前から暴力はあったが、住民は最近の暴力の増加をUPPによるものと考えている。デイズのコメント:「暴力は常にコミュニティにあった。けど警察が『鎮圧』した今、政府のプロパガンダで暴力はかえって増えた。警察の代表者がテレビで『良い盗賊はは死んだ盗賊だけだ』と言う。つまりそれが警察がコミュニティでやっていることだ。」 警察に無実の人々への敬意の欠如は、コミュニティの住人と警察との間に不審と軽蔑をもたらす。このUPPの態度は、貧困自体を犯罪とみなすことにつながる。すると当然出てくるのが以下の疑問:「コミュニティにとって、UPP(のファベーラでの展開)はそれ以前と比べてマシなのか?」

若い住人のことば:「問題は、ファベーラの麻薬売買人なんじゃない。麻薬売買人は住人に対する敬意は持っていた。だがUPPには敬意がない。UPPが現れあんたの顔面にパンチし銃を突きつける。これはオッケーじゃない。だからUPPは尊敬されない。UPPにもいいところはあるよ。だが悪いところの方が多い。UPPが最悪なのは無知だってこと。住人の権利を保障しつつ動くことを知らないし、権利を尊重することを知らない。だからこの点では、UPPがファベーラからいなくなればいいと思う。もしUPPがファベーラを助けに来て、絆を構築し、おとなしくしてればよかったのに。でもUPPがファベーラでやったのは、人を殺し、麻薬とは何の関係もない住人をいじめることだった。」


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