続・隅田川で追い出しの動き

隅田川・駒形~厩橋間河川敷テラスに暮らす仲間が、東京都建設局第六建設事務所から工事を名目に立ち退きを迫られています。私たちはこれに対し、定期的に行われる特別清掃(通称カリコミ)の際に現場を訪れた六建職員に、工事について説明すること、テラスに暮らす人々の人命や生活を尊重することなどを求めてきました。これまでのやり取りに加え、六建職員から届いた手紙での説明によると、立ち退きの根拠として

  1. 橋とテラスの耐震工事、テラス増設工事、

  2. (1)の工事区間にある屋形船の係留移設工事

を挙げています。しかし、(1)は着工も入札も来年度以降で、今すぐ小屋が工事の支障になるわけではありません。また、(2)については立ち退きの必要性が有るのかどうかも含め、まったく具体的な説明が行われていません。この厳寒期にテラスを追われ、小屋を奪われれば、仲間たち命は危険にさらされます。このような説明も話し合いも不十分な状態で立ち退きに応じるなど到底できません。

この問題について、年末年始にかけて大きな動きがありましたので、ご報告します。

■最初の撤去期限12月16日■
10月2日、六建は12月15日までに退去するよう迫る告知をテラスに掲示しました。撤去期限日当日の16日、隅田川・山谷・上野・新宿・渋谷・竪川など各地の仲間、そしてメディア関係者など、約40名がテラスに集まり、ブルーシートと段ボールで即席のお座敷を作って六建御一行様をお出迎え。真摯に話し合いを求めました。
工事の詳細について明らかにするよう求める私たちに対し、六建は「言えません」「教えられません」の一点張り。なんとかわかったのは、屋形船の移設工事は、公共事業でなく屋形船業者が発注する民間の工事であるということです。結局この日、工事について、テラスに暮らす仲間が安心・納得できるような情報はほとんど得られませんでした。
しかし、当初立ち退き期限となっていたこの日の排除は皆の力で阻止!結集して下さった皆さん、ありがとうございました!

■高齢の仲間を連れ出し、不在の間に小屋を解体■
このテラスには、高齢の仲間Kさんが住んでいます。意思疎通が困難なことも多く、認知症の疑いがあります。12月25日、六建のテラス適正化係長が1人でテラスを訪れ、彼を車に乗せて福祉事務所に連れ出し、本人不在の間に小屋を解体して撤去するという事件が起こりました。
福祉事務所に確認したところ、六建係長とKさんが来庁したのは24日と25日の両日。係長はKさんを福祉事務所に引き渡すと、保護開始決定も施設入所も確認しないまま早々に立ち去ったとのこと。そして、その日の午後、六建はKさんの小屋をバラバラに解体し撤去してしまいました。
一方Kさんは、生保申請後の調査のため、区役所を出たきり行方不明になってしまいました。テラスの仲間の話によると、その夜、Kさんはなんとか元いたテラスに戻ってきたそうです。しかし、そこには既に小屋も荷物も一切なく、浅草の街をあてどなく歩き回るしかありませんでした。27日夜、皆でKさんを探し出し、段ボールや毛布で仮の寝どこを作りましたが、以前の頑丈な小屋と違ってその夜の大雨をしのぐことができず、翌朝Kさんはずぶ濡れで震えていました。

六建職員は「24日、Kさん当人が失火し、様子を見に来た。福祉を受給するかと聞くと肯いたので福祉課へ連れて行った」「住居、所有物を処分してもよいという、本人の同意を得た」と弁明し、自身の行為は正当であったと居直っています。しかし、Kさんはその後、福祉事務所から失踪し、もとのテラスに戻ってきました。Kさん本人は24日以降の出来事について一切記憶していません。私たちは、六建が工事のために早急に小屋を立ち退かせたい一心で、意志確認の難しいKさんにつけ込み、今回のような行為に出たのではないかと考え、激しい怒りを感じています。
今回、六建職員は、福祉事務所にKさんを強引に連れていき、本人の落ち着き先(宿泊場所)も生活保護の決定の可否も確認せず、小屋を解体しました。これは、生活保護を小屋の排除の手段として使っているということに他なりません。大きな問題です。

Kさんは、以前にも他のボランティア団体の手助けで生活保護を受け、山谷の施設に入所したことがありましたが、その際も3日で施設から失踪し、何日も歩いて駒形のテラスに帰ってきました。認知症を抱えながらの野宿生活は確かに極めて過酷で危険なものかもしれません。しかし、駒形のテラスは今のKさんにとって唯一、自分の居場所として認識でき帰って来られる場所、周囲の仲間たちの支えの中で生きられる場所となっています。だからこそ、その唯一の場所を強引に奪った六建のやり方は許せません。

■1月4日、テラスにて六建職員と交渉■
年が明けての1月4日、私たちはテラスにて六建職員と交渉を持ち、Kさんの小屋および荷物の返還と謝罪を求めました。越年をともに闘ってきた仲間たちの力強い追及によって、小屋・荷物は見事に奪還されました。以下、小屋を放り込んでいた倉庫(?)の小屋の鍵を開ける六建職員の図。
画像


しかし、それは見るも無残にバラバラに解体され、二度と元に戻せない状態。一生懸命集めたアルミ缶も、長年大事に使ってきた木材も、ゴミのように打ち捨てられていました。
画像

私たちは怒りをもってさらに交渉を続けましたが、とうとう最後まで、六建から謝罪の言葉は聞けませんでした。

また、六建は12月28日、ビラ及び張り紙で、「1月11日までに移動せよ、12日以降テラスを立ち入り禁止にする」との告知を行ってきました。これを受けて、1月4日にKさんの小屋奪還のために集まった面々は、改めて工事についての詳細を明らかにするよう六建に求めました。すると、六建職員は「そんなことは知らない!」と私たちの前から立ち去ろうとしました!
河川敷の工事という、公共性の高い、しかも野宿の仲間の生活に重大な影響を及ぼす事柄について、公の責任ある立場の人間が説明もせずに走り去るとは何事でしょうか。そんなことは許されないでしょう、となんとか交渉を再開させました。
画像

そこで得られた合意は3点。

  1. 現在、未確定である工事計画について、確定次第テラスの仲間に明らかにすること。

  2. その説明なしに、一方的に小屋や荷物を処分したり、テラスを封鎖したりしないこと。

  3. 説明を経た上で、移動に応じるかどうかはあくまでもテラスに暮らす仲間が決めること。


これは、これまでの駒形での闘いの中でも大きな進展です。
しかし、相手は常軌を逸した悪行を繰り返す六建。油断はできません。
画像


■今度の立ち退き期限は1月12日!多くの仲間の結集を!■
次の撤去期限日である1月12日、この合意を覆させず、テラスの仲間の居住の安全を勝ち取れるよう、多くの仲間の応援をよろしくお願いします。
具体的な時間と場所については、後ほどお伝えしますので、しばしお待ちを!

■最後に■
私たちはこの追い出しを、駒形橋テラスに暮らす人だけの問題とは考えていません。
小屋を持たずに野宿するひとを、役所はガードマンを使って「ここで寝るな」と追い出して回っています。また、野宿の苛酷さの足元をみて、賃金を払わず働かせる飼い殺し飯場、生活保護費をピンハネする悪質な施設など貧困ビジネスがはびこっています。
小屋はこうした状況に対して、労働者が自ら命を守るために作りあげた抵抗の形です。
役所は小屋潰しに躍起となり、新たな小屋を建てさせません。現在小屋を持たない野宿者そして、これから野宿に追いやられる人々のためにも、小屋を不法な存在としてゴミのようにに扱う東京都六建の姿勢を許してはならないと思います。
今後とも、ご支援、ご注目よろしくお願いします。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 6

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
ナイス

この記事へのトラックバック

  • ★時間&場所が決まりました★隅田川での反排除の行動

    Excerpt: 1/12(火)の行動について詳細未定となっておりましたが、集合時間と場所が決まりました。これまでの経緯については、 続・隅田川での追い出しの動き を参照ください。(下の写真: 車で福祉事務所に連れ.. Weblog: 山谷ブログ-野宿者・失業者運動報告- racked: 2010-01-11 09:57
  • 明日(1月20日水曜日)、隅田川テラスにて六建と団体交渉

    Excerpt: 直前で申し訳ありませんが、表題の件についてお知らせします。 明日(1月20日水曜日)の午前中に、隅田川テラスでの工事とそれに伴う追い出しについて、現地にて、管轄の部署である東京都第六建設事務所の.. Weblog: 山谷ブログ-野宿者・失業者運動報告- racked: 2010-01-19 22:46