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zoom RSS 生活保護への攻撃(=新自由主義に沿った社会の再編)に対し、全社会的な連帯で撃ち返していこう

<<   作成日時 : 2012/12/29 00:14   >>

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今年の6月、仲間に向けて書かれたビラです(毎週、野宿・日雇い労働の仲間へ向けてビラを出しています)。生活保護制度改悪の動きが進むいま、貧困に直面しながら生きる労働者に、これらの動きをどのように考えるべきか問いかけたこのビラを再掲します。
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いま、生活保護に対する攻撃が激しさを増し、まったくヒドい物言いや報道が新聞やテレビに溢れている。それらは、よくて生半可、多くはデタラメな情報に基づいた悪意の垂れ流しだ。だが、これらの報道は、生活保護制度や、生活保護受給者の存在を根底から否定しようという意図がある。それは、貧者からまともな仕事を奪い、のたれ死にを強いる、権力の意図だ。
 裏を返せば、やつら金持ち連にとって、いま、生活保護という制度が、まったく我慢ならないもの・邪魔でしょうがないものとして、立ち現れているということだ。この生活保護への攻撃に対し、全ての貧しい者が団結し、つながり、撃ち返していかなくてはならない。そして我々の反撃は、生活保護制度という枠を越え、社会・労働のあり方(反ドレイ労働)にまで問いを広げ、陣形を作り上げることで初めて勝利するだろう。

【野宿・日雇いの仲間への生活保護の歴史】
 まず、野宿者・日雇い労働者にとっての生活保護制度について振り返ろう。2000年代後半まで、日雇い・野宿の仲間には、まともな生活保護(居宅保護)は適用されていなかった。「住民票がなくては受けられない」という何の法的根拠もない窓口対応が90年代まで行われていた。2000年代まで、野宿者・日雇い労働者専門の収容施設への入所の強要により、居宅保護などは存在しないも同然で、冬期には、寄せ場で野宿する仲間の命をまもる焚き火をお巡りどもが消してまわるという光景が普通にあった。
 それが、2007年の我々の生活保護集団申請や、その一年後の派遣村の取り組みで、曲がりなりにも野宿から居宅保護が(段階を踏むことを強いられることが多いが)受けられるようになった。これは、生活保護制度が、●権力の側からは治安対策の道具としてその時々で用いられてきた、●貧者の運動にとっては自らの生存を維持するためのたたかいによって獲得されてきた、ということだ。どちらにおいても、生活保護制度は、所与のもの(最初からそのありようが決まっているもの)ではなく、社会における力関係の中で、あり方がどのようにも変わりうる物だということだ。
 圧倒的に多くの野宿・日雇いの仲間は年金や貯金がないから、失業すれば即その日の糧にも困ることになる。生活保護のまともな運用が、人の命にかかわる問題だということを、押さえておかなくてはならない。

【ドレイ労働がはびこる条件とは何か?】
 その上で、なぜいま、生活保護が金持ちども・権力者どもの気に障るのか?IMF(=国際通貨基金)の構造調整プログラムというのがある。IMFというのは、金持ちのための世界的な金融組織で、貧しい国を食い物にしてきた。IMFは、構造調整プログラムという制度で、札束で脅しをかけながらその国の社会を乗っ取り、作り替えていく。その時に真っ先に行うことの一つが、社会保障を切り下げる・なくさせることだ。なぜかというと、生活保護などの社会保障がなくなれば、貧乏人は非常に条件の悪い仕事であっても、その仕事につくしかないからだ。こうして社会保障がもぎ取られ、貧者が身を守るものもなく丸裸にされたあとに、多国籍の大資本がやってきて、いいように人を使い捨て、まる儲けするという構造だ。
 いま、我々の目の前で行われている生活保護への攻撃は、このIMFの構造調整プログラムがやっていることと同じことだ。日本でも、十数年かけて中間層が解体され、非正規雇用が労働者の1/3をしめるようになった。社会の中の巨大な貧富の差は誰の目にも否定することはできない。日本の貧しい者が置かれている状況は途上国の状況と重ねられる。つまり、一つの国の中に植民地があるようなものだ。高い失業率と不安定な雇用がはびこり、貧者は生存ぎりぎりの生活を強いられる。その中で、権力者は貧者の中での対立を煽り(今回の生活保護に対する攻撃に最も乗っかっているのは比較的貧乏な人が多いのではないか?また、排外主義者どもの外国人排斥や、少年らによる野宿者襲撃を見よ!)、分断を図る。
 もはや資本には、国内に(もちろん国外においてもだが)まともな仕事を提供する力はない。労賃・人件費を切り下げる競争の中で、貧者の雇用は辛うじて生み出される。労働者の人格が踏みつけにされ、人間の体にとって耐えられないような過酷な作業を強いる労働だ(たとえば、少し前に高速道路で大事故を起こしたバス会社がある。運転手はヒドい労働条件=睡眠すら満足にとれない=で働かされていたという話だ)。そんな労働(ドレイ労働)を強いることが可能になる条件は、「貧者にとって他に生存を維持する手段がない」ということだ。

【朝日建設争議を思い出せ】
 朝日建設争議を覚えている仲間もいるだろう。山梨県の朝日建設の飯場で日雇い労働の仲間が殺された事件をきっかけに、多くの仲間の不払い賃金を要求して闘われた争議だ。朝日建設では賃金の不払いが常態化していた。殺された仲間は労賃の清算を口にしたところ虐殺され、キャンプ場に埋められた。この飯場は、上野公園などの公園や駅手配で人をあげていた。つまり、野宿の仲間を中心に声をかけて飯場に送り込み、無権利・無賃金のドレイ労働を強いていた。「寝場所と飯があるだけ、ありがたく思え。嫌なら出て行け」というわけだ。

【ドレイ労働を拒否する条件とは何か?】
 このドレイ労働の拒否という役割を、歴史的にはたしてきたのが野宿の小屋ではなかったか。体をやすめられる小屋と、まわりで暮らす仲間のつながりがあれば、ケタ落ち飯場や悪質な生活保護施設に行く必要はない。これは、野宿の仲間たちが身をもって示してきたことだ。
 いま、生活保護制度が、貧者にとってドレイ労働を拒否するための、数少ない足がかりの一つとなっている。実際、生活保護受給者において、再び仕事につかない人数が多いということをやつらは"問題"としているが、とんでもない。"まともな仕事がない"というだけのことだ。人間あつかいされないようなひどい仕事を貧者が拒否するための条件として生活保護が機能しているということだ。最低限度の生活が保障されるということは、そういうことだ。

【社会をやつらの好き勝手に再編させてはならない】
 だからこそ、金持ち連中は生活保護を目の仇にする。やつらにとって、この、貧者と富める者とに二極化した社会を維持し、一握りの権力者が富を独占するためには、最低限度の生活が保障されてはならないのだ。いま生活保護に対して行われている攻撃は、このような文脈でとらえるべきだ。繰り返しになるが、今回の生活保護バッシングは、新自由主義的な社会(クビを切る自由、ドレイ労働を強いる自由が大手をふってまかり通る、金持ちに都合のいい社会)へ向けた社会の再編の動きとしてある。法律が、総体としては国家の支配を反映するものである以上、やつらは必要とあれば生活保護法自身の改悪も視野に入れているはずだ。この動きに対して、社会運動を背景とした反撃が絶対に必要だ。社会をやつらの好き勝手に作り替えさせるな!仲間の人間としての尊厳を守れ!生活保護に対する攻撃に対し、撃ち返していこう!

【江東区との交渉について報告】
6月4日、竪川公園での野宿の仲間に対する排除と暴力について、江東区との間で2時間半にわたる話し合いが持たれた。話し合いと言っても、江東区は水辺と緑の課を窓口とすることで、野宿の仲間に対する暴力(少年らによる襲撃、ガードマンによる暴力、区職員自身による暴力)に目を向けようとしない。そればかりか、野宿者追い出しをいかに行うか、ということを野宿当事者に向かって説得しようとする。だが、話し合いは始まったばかりだ。暴力と排除を終わらせるための真の話し合いを、これから実現していかなくてはならない。

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